Logo image
Logo image

スペインの最も偉大な職人たち

0 分
スペインの芸術は長年その伝統を守り、国内外の市場で重要な立ち位置を獲得してきました。スペインのユニークな職人と、彼らが世界中でどのように芸術に貢献してきたのかについてご紹介します。
スペインの最も偉大な職人たち
最後の更新: 04 10月, 2020

スペインのアートは、芸術界において特別な位置にあります。それは、スペインの最も偉大な職人たちの作品を見ればわかるでしょう。有名にならない人もたくさんいますが、この分野で名を馳せている人たちもいます。

スペインには、地元だけでなく世界中の国々で名声を得ている職人がたくさんいます。こういった人々のおかげで、スペインの芸術や職人技が世界で最も素晴らしいものの一つとして認められているのです。

今日、スペインのアートは非常に高い名声を得ています。これは伝統的な職人が現在の世界に合わせる能力を持っているおかげでもあるのです。革新的なクライアントに対しては現在の流行に合わせたデザインを作ったりしています。

伝統的な職人は今まで大市場には登場してきませんでした。大勢の人にはその天才的な技が伝わらないからです。職人技が続いているのは、職人の日々の働きとその匠の技のおかげです。

この記事では、スペインで最も素晴らしく興味深い職人たちの例をいくつかご紹介します。

ホセ・アンヘル・ボア

Some figure

この職人は陶芸家の4代目で、自身の家族の伝統をきっちりと守っています。彼は焼き物の復活のため、プラスチックのこの時代に伝統的な陶磁器を守ろうとしているのです。

スペインのアリカンテにある自身の工房で、水差しの焼き物など伝統的な陶磁器の作品を作っています。また、彼はこれらを装飾品としても販売しています。この現代という時代に焼き物のポットを作るなどというのは奇妙でとっぴであるように思えるかもしれません。しかし、ホセ・アンヘル・ボアは伝統をかたく守っています。

ホセ・アンヘル・ボアは、自身の父親、祖父、そして曾祖父から学んだ技を献身的に引き継いでいます。35歳というこの若き職人は、毎日自分の工房へ行き、ろくろの前に座って粘土から生み出される芸術作品の作成にとりかかるのです。

その作品のすべてが手作りです。巨大なガスオーブンを使用しており、そこに一度に約500個の作品を入れます。完成までには約60時間かかります。

家族の彼以前の職人は、アラビアに想を受けたオーブンを使用していました。これは、暖炉のある大きなくぼみがあり、その数メートル上にあるレンガのオーブンの中に焼き物を吊るすというものでした。火がオーブンをあたため、その温度は1000度を超え、100時間以上も作品を焼いていたのです。

この工房からは年間約5000点の作品が商品となり、平均30ドルくらいで販売されています。ウェブサイトかソーシャルメディアをチェックすれば、このオリジナリティあふれる作品についてもっと詳しく知ることができますよ。

「これが死にかけの芸術であることはわかっている。私の町にはかつて焼き物を扱っている工房が25か所あったものだが、今ではたった3か所になってしまった。」

-ホセ・アンヘル・ボア―

パコ・ルイス・マルトス

Some figure

この木工職人は、自身の工房をスペインのウベダのすそ野にかまえています。この町は美しい白壁の家々が立ち並び、それらが陶芸家や職人の工房となっています。パコ・ルイス・マルトスは、ビバリーヒルズのお金持ちの人たち向けに、工房で高級な作品を作っています。

ウベダのパコ・ルイス・マルトスと言えば、伝統的な手作りのムスリムスタイルの木製格間天井を再興させた建築家として知られています。

数年前、マルトスはすでに廃れていた格間のスタイルを研究し始めました。この職人が復活させたのは、もともと20世紀に発展したものだったのです。

歴史に深い関心を寄せていたマルトスは、17世紀の建築、数学、そして図法幾何学を学びました。その結果、木材の扱い方や彫り方に使う技術を完璧なものにすることができました。

今日、マルトスの技術は国境を越え、カリフォルニアのビバリーヒルズにおけるインテリアのレジェンドのようなものになっています。彼の作品はとても高く評価されているので、工房の移転も考えたことがあるほどです。

パコ・ルイス・マルトスの工房で作られたその素晴らしい格間天井は、真の職人の技が光っています。その名はとても広く知れ渡り、トレドにある有名なお城にある、16世紀に作られた木製天井の修繕を依頼されたこともあります。

ダニエル・ヒル・デ・アバジェ

Some figure

ダニエル・ヒル・デ・アバジェが作る楽器は、音楽と職人技への情熱が合わさったものです。スペインのグラナダ出身で、その人生のほとんどを音楽と楽器制作にささげてきました。彼は芸術作品を40年間も作り続けているのです。

音楽は彼の家族に受け継がれてきた伝統で、例えば彼の姉はソプラノ歌手です。それが音楽の勉強をしようというやる気を起こさせたのかもしれません。しかしアバジェが言うには、弦楽器職人になりたいという気持ちは、家族の伝統だけから生まれたものではないそうです。

この職人は楽器職人としての職をまず、ピアノの修繕の仕事から始めました。しかし、自分の情熱は楽器、特にギターを作ることだということに気づいたのです。

ダニエル・ヒル・デ・アバジェがギターを一つ作るのには、2~3か月かかります。大変長い時間を唯一の目標に捧げます。その目標とは完璧に調和の取れたギターを作ることです。彼は自らの工房で、年に10~15本のギターを作成します。全て受注品です。

ダニエル・ヒルが作るギターはスペインの外でも高く評価されています。ダニエル・ヒル・デ・アバジェが作ったギターは世界中で見ることができます。